都内オフィスビル: 地下3階・地上20階 延床面積40,000㎡
おそらく一般的な都内高層ビルでのビルメンの一日
今回は宿直を担当する場合です。宿直者は二人。
9:00 出社
9:15 作業着に着替える
9:20 前日宿直者から業務引き継ぎ
9:30 中央監視室にて 朝のミーティング
9:40 中央監視装置にて各設備の運転状況、空調運転スケジュール、メールの確認など。
9:45 5階テナントより電話にて蛍光灯明滅のクレーム 作業員に交換指示
10:00 地下4階 電気、冷凍機、蒸気、空調、各設備点検及び検針。(以降1時間毎実施)
10:10 エレベーター点検業者来館 機械室用の鍵貸出
10:30 10階テナントより室温が高いとのクレーム 監視装置(PC)にて設定温度調整
10:45 清掃作業員より 7階女子トイレつまりの連絡 設備員に対応指示
⇒ 便器に異物混入の為オーナーに連絡後、業者手配
11:10 熱源負荷上昇の為冷凍機1台追加運転
12:00 昼食
13:00 午前の作業分、報告書へ入力
13:20 1F 飲食店厨房よりコンセントが使えないとのクレーム 作業員に対応指示
15:00 テナントより電話にて空調延長依頼受付 スケジュール入力
17:20 終礼
17:30 日勤設備員 退社
18:00 各階基本空調スケジュールにて停止 延長依頼のあったフロア、空調運転確認
19:00 夕食買い出し 及び 食事
20:10 1F 飲食店厨房より 排水つまりのクレーム
応急対応(トーラー使用)。テナント資産の為清掃業者手配するよう説明。
22:00 業務日報をPCに入力
23:00 閉館 中央監視装置にて各設備運転停止確認
地下4階 各設備目視点検
23:30 歯磨き、シャワー、就寝準備
24:00 就寝
仮眠6時間
6:00 起床
6:10 身支度
7:00 蒸気受け入れ 冷凍機運転 各吸排気設備運転開始(スケジュール運転)確認
8:30 各フロア基本空調運転開始(スケジュール運転)確認
9:00 一人は当日の宿直者に業務引継ぎ
もう一人はオーナー会社のミーティングに出席し、業務報告。
9:30 退社
このような感じで24時間宿直勤務が終わります。
現場によっては17時以降にやる事が無い為、自宅にいるような感覚になる所もあります。真っ当な社会人は、勿論その時間を利用して各種設備の点検、資料整理、資格の勉強などをして過ごします。一方、普通のビルメンさんは、ネットサーフィン、スマホゲーム、テレビ鑑賞などで時間を潰します。
仮眠設備は様々で、ホテルのようなところもあれば、監視室に簡易ベッドだけなんてところもあります。
宿直明けは「明け休」、次の日は「公休」となります。仮眠が十分に取れる現場であれば実質2連休になるので、やたらと休みが多い感覚に陥ったりします。とはいえ、自宅にいる訳ではないので、疲労感は結構あります。
最後に、私が初めて宿直をした時の話
責任者:「おい!昨日はよく眠れたか?」
という鬼軍曹からの思いがけない優しい言葉に
私:「ええ、熟睡できました!」
と笑顔で返事をしたところ
鬼:「ばか野郎!宿直が熟睡してどうするんだ!」
という有難い叱咤を頂きました。
そうです、宿直者に許されるのは仮眠であって、熟睡してはいけないのです。
ご承知おきください。
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