はじめに
ビルメンの中で一番多い営繕作業、といっても過言ではないトイレの詰まり。
今回は大便器詰まりの対処法をご紹介したいと思います。
用意するもの
・ラバーカップ
・バケツ
・マイナスドライバー
・ウエス
・ゴム手袋
・長靴(汚水が床に溢れている場合)
最初に確認すること
現場に着いたら、まず最初に便器の水位を確認します。
水位が低い場合と高い場合では、若干手順が異なりますので、それぞれ別に説明します。
-補足-
吐水機能がリモートボタンや赤外線式の場合は、止水栓を閉めておきましょう。誤って流すと汚水がオーバーフローして悲惨な状況になります。
ちなみに止水栓はマイナスドライバーが必要になります。(ハンドル式もありますが稀です。)
水位が高い場合
便器を見て明らかに水位が高い場合は、汚物が浮いていようが、ラバーカップの出番です。
便器にそっとカップを挿入しましょう。
排水口に届いたら、ゆっくりカップを押し込みます。
決して勢いを付けてはいけません。
奥まで押し込めたら、今度は”クッ”と少し勢いを付けて引きます。
引くといっても感覚的には2~3㎝引くつもりで、最初はほんの少しだけ。
大体これを2~3回繰り返したら”コッコッコ”と流れていくと思います。
出口に殺到して詰まった汚物や紙を引くことによって解放するわけです。
押すのではなく、引くんですね。
解放された汚物は、水と一緒に勢いよく流れていきます。
軽く引いてもダメな場合は、少しずつ引く距離と強さを上げていきます。
ひとつ注意点。
押すときも、引くときも必要以上に勢いをつけると跳ねが飛びます。
少しだけ熟練を要するかもしれません。何回か浴びて感覚をつかみましょう😁。
水位が低い場合
水位が低い場合。
取り敢えずバケツ一杯の水を一気に流しましょう。
これはラバーカップと逆で水圧で押し込むやり方です。
これで解決する事、結構多いです。労力がいらないので取り敢えずやってみましょう。
それでも水位が下がらなければ、先に挙げたラバーカップの出番です。
前述の通りラバーカップは水圧の変動(負圧)を利用して、対象物を手前に引き出します。
水位が低い場合、カップに空気が混入し上手く負圧に出来ません。
空気の混入を防ぐため、ラバーカップは水没させて使います。
近くにSK(スロップシンク:モップなどを洗う流し)がなくバケツに水が汲めないときは
止水栓を絞りながら吐水し、水を溜めることも出来ます。
(ロータンク式の場合は”小”を利用)
大便器の詰まりの9割位はバケツとラバーカップで対処できると思います。
上手くいったら、最後に丸めた拳大のトイレットペーパーを3、4個流して通水テストを行います。
もし流れが悪かったり、ペーパーが戻ってきたりしたら、異物混入を疑います。(特殊な例2へ)
ラバーカップでも改善しない場合(特殊な例)
隣の便器を流してみます。
他の便器が正常に流れるのであれば、原因はその便器にあると判断できます。
そして、考えられるのは主に下の2つのケース
特殊な例1
ビルメン歴十数年で1回経験しましたが、大量のカチカチ💩が原因でした😂。病院などではバリウムで詰まってしまうことが良くあるようです。
対処法 ⇒ 棒で砕いて流す。
他に良い方法あったかな?😅
特殊な例2
一応流れるが、勢いが悪い。しばらくすると、また詰まる。このようなケース。
オフィスビルであれば、年に数回はあると思われる異物混入です。
ボールペン等が引っ掛っている場合、隙間から汚物は流れていきますが
次第に紙などが堆積して流れが悪くなっていきます。
少しでも様子がおかしいと思ったら、異物混入を疑いましょう。
-異物の確認方法-
昔は反射鏡を使っていましたが、今はファイバースコープが安く手に入りますので、これを利用して確認しています。
スマホやノートPCに接続するタイプは数千円で買えます。
あると色々な場面で使えますので、会社に買ってもらいましょう。
異物が手や針金を使って取り出せればよいですが、そうでない位置にある場合は、業者を呼んで便器を外すことになります。
ちなみに、私が在籍していたビルで取り出した異物は、スマホ、社員証、ボールペンが多く
中にはブラジャーなんてこともありました(笑)。
隣接する便器も流れない場合
もし、隣の便器も流れないようでしたら、便器ではなくその先の配管、もしくはそのもっと先に原因がある可能性があります。極稀にある事案ですが、このケースは別に紹介したいと思います。
まとめ
節水型便器が増えた為、トイレ詰まりで出動する機会が増えたように思います。しかしその場合は、吐水量不足が原因なのでバケツだけで対応できることが結構あります。また、”単なる流し忘れ”もよくあります😅ので、取り敢えずバケツで流すことをお勧めします。
コメント