デマンドとは

ビルメンのお仕事

はじめに

ビルメンにおいて宿直者が担う重要な仕事の一つにデマンド管理があります。

デマンド管理はその施設の電気料金に直結する重要な要素なので、この管理をミスると

オーナーさんからお叱り(で済めばよいですが)を受けることになります。

電力と電力量

「デマンドって何?」

ビルメン初心者の方は、そもそもデマンド自体を知らない人も多いかと思います。

簡単に説明すると、30分間における平均使用電力という事

になりますが、それ以前に電力と電力量の違いは理解できているでしょうか?

(私はビルメン3年目まで分かっていませんでした。😅)

電力(W)は 電流(I) × 電圧(V)で表される電流がする仕事で

電力量(Wh)は電力を時間で積分したものという事になります。

「なんのこっちゃ」という感じですが、車で置き換えると

電力は時速(km/h)、電力量は走行距離(km)

と見なすことが出来るので、結構理解しやすいと思います。

電力は瞬時値で、電力量は蓄積した量ということになります。

デマンドとは

先にも述べましたが、電力会社との契約で扱うデマンドとは

30分デマンドのことで、30分間の平均電力を指します。

0時00分から0時30分、0時30分から1時00分のように時間毎に30分間の

平均電力を算出し、その値を30分デマンドと呼びます。

車で例えると30分の平均時速と考えることが出来ます。

例えば、30分間のうち最初の15分を時速100km/hで走行し、後の15分を

時速20km/hで走ったとしたら30分間の平均時速は

100km/h + 20km/h ÷ 2 = 60km/h

となります。

実際には車の時速にしろ電力にしろその値は刻一刻と変化するので、

それまでの時間の積分量をその時間で割った値が平均値となりますが

デマンドメーターと言う機器が瞬時値をはじき出してくれます。

積分とか言うと難しいですが、30分の電力量を0.5(30分)で割れば

30分デマンド値が算出されます。

例えば、30分間の電力量が750kwhだったとしたら

30分デマンド値は

750 ÷ 0.5 = 1500(kw)となります。

契約電力

では、このデマンドがなぜ重要かと言うと、この値が電気料金を大きく左右するからです

電気の料金設定は

電気料金 = 基本料金 + 電力量料金

このようになっていますが、基本料金を決定するのに契約電力が用いられます。

契約電力は基本的に前年の最大デマンドを元に算出しますが、契約電力が大きければ、

それに比例して基本料金も多くなりますのでオーナーさんとしては極力契約電力を

低く抑えたいということになります。

また重要なポイントととして、この契約電力を30分デマンドが少しでも超過すると

ペナルティが課せられることが挙げられます。

500kw契約の設備で、ある30分のデマンド値が501kwであった場合、

超過分がたとえ1kwでもペナルティが課せられます。

ペナルティとは契約超過金や契約電力の変更の事で、

500kw以上と未満で契約体系が異なります。

ペナルティ

協議制の場合

※東京電力の場合

500kw以上の場合は契約電力を1回でもオーバーすると、基本料金の 1.5 倍に相当

する金額を契約超過金として支払う必要があります。

(詳細は電力会社のhpをご確認ください。)

規模の大きい建物ですと、電気料金も莫大な金額になるので、その1.5倍となるとかなりの

損失となります。

しかし、ケースによっては契約電力を上げるよりも超課金を払った方が1年トータルでは

安くなることもあるようですので、超過頻度を鑑み契約を決定した方が良いそうです。

という訳で、次回の契約電力は基本的に電力会社と相談の上決定します。(協議制)

実量制 の場合

※東京電力の場合

500kw未満の場合ですと、デマンド値が契約電力をオーバーすると、超過した分に

応じた契約電力に自動的に変更され、その後11か月はそれ以下の電力に変更する

ことが出来ません。(実量制)

例えば、100kwで契約した建物が、ある日の30分だけデマンド値が300kw

になってしまった場合、その後の11か月は300kwでの契約となってしまいます。

それ以降90kwで運用したとしても11か月は300kw分の高い契約料を支払わな

ければならなくなります。

デマンド管理

説明したように、デマンドが契約電力を超えるとペナルティを受けるので、そうならない

ようにビル設備の電力(30分デマンド)を調整することをデマンド管理と言います。

オーナー側は電気料金を抑えるため極力契約電力を低くしますので、夏の暑い日の昼ころは

何も対策を講じないとあっという間にデマンドがオーバーしてしまいます。

冷水の設定温度を上げたり、外調機を停止したりして負荷の大きい機器を一時的に抑制して、

ビル環境に影響がない範囲で調整を行う事がビルメンの司令塔には要求されます。

まとめ

デマンドを理解することはビルメンに限らず工場など設備に携わる人にはとても重要です。

兵隊ビルメンの頃は知識程度で良いのですが、中堅になるとデマンド管理も任されますので

良く理解しておく事をお勧めします。

デマンドオーバーはお金に直結しますので・・

-補足-

電力需要(デマンド)に対しての供給(発電能力)が不足すると最悪ブラックアウトを

起こし大規模停電となります。(周波数異常で発電所停止)

実際、2018年には北海道で地震に伴う 電力供給不足 でブラックアウトが発生しています。

電気の世界では需要と供給のバランスがとても重要なので、電力会社も契約電力に

ペナルティを課してシビアな対応を取る訳です。

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