資格紹介#6 第三種電気主任技術者(電験三種)

資格

資格概要

電気主任技術者は経済産業省管轄の国家資格で、受電設備や配線など、

電気設備の保安監督という仕事に従事することができます。 

電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、

電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられていますので、

一つのビルに必ず一人選任者が必要です。

受電電圧が5万ボルトまでは電験三種所有でよいですが、それ以上になると二種が必要になります。

ビルメンで一種が必要な現場はまずないでしょう。 

電験には1~3種があり、以下の様に従事できる設備が異なります。

第1種:全ての 事業用電気工作物
第2種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
第3種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)

試験について

難易度  ★★★★

合格率  10%前後

受験資格 なし 

試験料  4,850円(インターネット申し込み)

試験日  8月 ※

勉強期間の目安 約6か月~

試験は以下の4科目

理 論  電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電 力発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)
の設計及び運用並びに電気材料
機 械電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、
電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法 規電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

五肢択一マークシート形式です。

試験では四則演算、開平計算(√)を行うための電卓が使用できます

有効期限3年間の 科目別合格制なので3年間で全て合格すればよいことになります。

合格点は60点ですが、平均点が低い(集計結果により判断)場合は

合格点の調整(引き下げ措置)があります。

2022年度より試験回数が年2回となります。科目合格制度はそのまま3年なので

チャンスが倍になります。

私の合格までの経緯

1回目(2010年)

理論と法規を他の資格試験と平行して勉強しました。

機械と電力はほぼ手付かずで、理論と法規は参考書”これだけシリーズ”と

実教出版の工業高校の教科書を一通り読んだくらいでした。

工業高校の教科書 

教科書はよくできているのですが、かなり難しい内容でフーリエ級数とかオイラーの定理とか

サラッと出てきて、工業高校恐るべしと思うと同時に試験に受かるイメージが

全く湧かない状態でした。(教科書自体は丁寧な作りで値段も安くおすすめ)

そんな状況で一応受験したところ

理論70点、電力45点、機械50点、法規55点という結果。

通常ですと理論以外は不合格なのですが、ミラクルが起きました。

理論電力機械法規
5552.7547.6555
2010年電験試験の合格基準

試験が難しかったのか、このように合格点の調整が行われ、

機械に至っては50点で合格です😅

この奇跡により1年目で理論、機械、法規の三科目の合格となりました。

理論が合格点に達していたことも不思議でしたが、まさかの結果に

とても驚きました。

2回目(2011年)

人生に一度あるかないかの幸運を逃すわけにはいかないので、元日より

電力の勉強を開始。かなりのモチベーションが沸いていました。

基本的には過去問15年分をただひたすら繰り返し解くだけでしたが、

ほぼ毎日1時間勉強したと記憶しています。

準備期間も十分あり1科目のみでしたが、結果は75点😅。

点数はどうであれ、無事に合格することが出来ました。

試験対策のヒント

上述したように私の場合は運の要素が大きく、まともに勉強したのが

電力だけなので、偉そうに試験に対する心得が言えません。

しかし、主任技術者のプロとして生きていく覚悟のある方には何の参考にもなりませんが、

ビルメンで、”資格だけほしいな”くらいのスタンスの人にはある程度のヒントになは

なるかと思います。

電験は満点を目指すとなると、相当な学力を要します。

三相交流、微分方程式、オイラーの定理、ラプラス変換・・

テスラ、ニュートン、オイラーという人類史上五本指に入るような天才たちが

発見、証明した原理や数式を理解する必要があります。

{\displaystyle e^{i\theta }=\cos \theta +i\sin \theta }

高卒程度の学力が対象の試験に、このオイラーの式を理解させることに無理があります。

解らなくて大丈夫です。

2種以上では複雑な計算問題を解くためにオイラーの定理やラプラス変換等が必要になってくる

ようですが、すくなくとも3種では必須ではありません。

さすがに三相交流の原理や、高校レベルの電磁気学や数学の理解は必要不可欠ですが、

逆に言うと、これだけにフォーカスすれば合格ラインに達すると思います。


電験の試験は比較的簡単なA問題と難しいB問題とで構成されています。

法規以外はA問題14問、B問題が6問の各5点となります。

難しいとされるB問題のうち半分の3問は、実はA問題より易しかったりするので

全20問中本当に厄介なB問題の3問を捨てて、難問ではない17題を解く対策を

取るのが良いと思います。

私の場合、職業訓練校時代に電磁気学の授業を受け、その後も2種電工試験の勉強をしたりで

電気に関係する知識はある程度蓄積されていたと思います。

1年目の機械はほぼ試験勉強はしていませんでしたが、適当にマークしたまぐれ当たりを

差し引いても40点は取れたことになります。

電験試験にも設備の名称や構造原理を問う非計算問題が数問ありますので、これらを確実に得点出来れば

合格点にさらに近づきます。


私の頃はYouTubeがまだ発展していませんでしたが、今は本当に充実していて

昔なら数十万円かけて受講するような動画チャンネルが数多くあります。

電験に必要な数学の解説動画も多く、とても質が高いですので、

モチベーションさえあれば、学ぶ環境は申し分ないと言えると思います。

まとめ

電験3種の効力は絶大で、求人サイトで保持資格として登録すると

問い合わせが殺到します。

所持すれば、ある程度人生の保険が出来ると言っても過言ではないでしょう。

とは言え、電験はビルメン資格の中で格段に難しい資格です。

4科目もあり内容も難しいので、普通は心が萎えます(笑)

しかし、1科目だけでも合格すれば(たとえ運でも)”ひょっとしたら”と

可能性が見えて、モチベーションが発生します。(と思います。)

資格取得に一番必要なのはモチベーションです。

これから年2回の試験になり、チャンスが広がりますので

勉強不足など気にせず、取り敢えず受験してみることをお勧めします。

資格
スポンサーリンク
ビルメン坊主の設備管理と資格のブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました